株式会社千葉工務店自然省エネ住宅 北九州の家

SNo邸

renovation_sno_after_001renovation_sno_after_002renovation_sno_after_003renovation_sno_after_004renovation_sno_after_005renovation_sno_after_007

 設計士 太田 潤一郎より

「受け継がれる家」

この住宅は築100年超、宿屋であった建物をお施主様の先々代が譲り受け、住まいとしたものである。それから時代に即した増改築が幾度となく施され、現在は家業である調剤薬局店舗も併設されている。

家族史において、その空間・機能の変遷は必然的、かつ多くの幸せをもたらした。一方、建築的視点から建物現状を考察すると、「即物的」・「対処療法的」と言わざるを得ない状況があった。また今回改修対象となった箇所は、3期に渡る段階的増築部にまたがり、かつ木造とCB造が無造作に取り合っている等、そんな建築的ひずみが最も顕著に現れていた。

「この家を「終の棲家」としたい」というのがお施主様ご夫妻から提示された唯一の要望であった。短命な建築がいまだ主流と感じる中、そんな住まい手の思いをしっかりと受け止めるだけのポテンシャルをこの建物に感じた。

計画根幹は、台所を除く水周りの更新と住空間のバリアフリー化。住みながら、かつ店舗を営業しながら、という前提から物理的改修は限定的なものとなる。

既設の大部分は未改修、室形状及び配置の変更もほぼ不可能、そのような計画においても空間の「繋がり」に変化を加えることで建物全体に及ぶ機能的改修が施せるのではないかと考えた。そこで本計画では、キッチン・主寝室・ユーティリティーを繋ぐ新たな動線を設定、既設建物の中に主寝室を核とするご夫妻専有の空間を提案している。

具体的には主寝室に3つの新たな出入り口を設けることのみによって建物全体の機能更新を目論んだ。この専有空間は居間機能を内包することで状況に応じ独立したひとつの住居空間となる。これによりこれまで居間であった和室を用途の限定されない「余白」の空間として再定義することが可能となった。

昨年竣工した『ふらすも/flat-small』では、伝統的な「続き間」の間取りを基に、室の用途設定を最小限とし、住居に空間的・機能的冗長性(余白)を取り込むことで、生活をより自由に、また建築計画的側面からの住宅耐用年数を引き伸ばすことができるのではないかと考えていた。ここでは動線の新設により住居平面を変形した続き間として再構成しつつ、既設空間の一部を余白化することで改修という制約の内においても同様の可能性を追求している。

「リフォーム」・「リノベーション」・「before-after」etc…「改修」を評する様々な言葉、とりわけその革新性が注目される中、本計画では、時代を超え、家族によって大切に「受け継がれる家」、そしてその「現在」と「未来へのきっかけ」を純粋な建築空間として提示したいと考えた。

最後に、的確な現場管理で円滑に工事を取りまとめてくださった株式会社千葉工務店様、私のつたない線を熟練の技術で現実のものとしてくださった職人の皆様、そして何より、何の実績もない私に大変有意義な機会を与えてくださったお施主様とこの「家」に、心より感謝いたします。

太田 潤一郎(nanjac design) 

前の物件へ 住宅リフォーム施工事例 次の物件へ
ZEH ネット・ゼロ・エネルギーハウス 暮らしを作るシステム 北九州の家 受賞歴 新築施工事例 リフォーム施工事例 信州の森で作る家 フォレストバーン 丸谷博男先生の健康住宅 そらどまの家 各種ローン・保険のご案内